水毒って?
知っておきたい東洋医学の考え方
「水毒」って聞いたことあるッスか? 実はこれ、東洋医学の考え方の一つなんだって。寒い日が続くこのごろ、冷えや代謝ダウンを感じている人は要チェック‼
東洋医学では「気・血・水(き・けつ・すい)」が体内をめぐることによって、体が正常に機能すると考えます。「気」は元気の気(生命エネルギー)、「血」は血液とその働き、「水」は血液以外の体液を意味します。そのなかの「水」が必要以上に体内にたまり、悪影響を及ぼすことを「水毒」と言います。
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むくみ、イライラ……その不調、「水毒」が原因かも⁉
お座敷で宴会を終えた後、靴を履こうとしたらきつい、夕方になるとブーツに足が締めつけられるよう……なんてことはありませんか。これらは冷えによって体内の水分代謝が乱れ、むくんでいるせいかもしれません。また、冬季うつなど、不安感やイライラ、不眠は冬場に多いと言われます。これらも、精神的な要因だけではなく、血液やリンパ液の水分が多くなることによって引き起こされる場合があります。ほかにも、胃に水がたまると胃下垂になったり、皮膚の細胞間に水がたまるとあごがたるみやすくなったり、体内に水がたまることでさまざまな不調が起こりやすくなります。
あなたの「水毒」度合いは? セルフチェック!
- 水分をよく取るわりにトイレの回数が少ない
- おなかをさわると冷たい、おなかがちゃぷちゃぷする
- 体がむくんで太って見える
- 靴下のゴム跡がくっきり残る
- 夕方になると足がむくみ、ふくらはぎを親指で押したらへこんで戻らない
- 夕方になると、いつもの靴が履けないことがある
- 肌の代謝が悪く、ジクジクした湿しんや水ほうができやすい
- くもりの日や雨が降ると体調をくずしやすい
- 胃が重たい感じがする、食欲が低下している
- 気分が落ち込みやすい

食と運動の生活習慣で「水毒」を予防・解消!
「水毒」に陥らないための原則は、温かい物を少しずつ飲むことと、ふだんから体を動かす習慣をつけることです。忙しくて運動する時間がない方も、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、電車やバスに乗るときはひと駅分歩くなど、日常の中に運動する機会を取り入れましょう。また食事においても、温かい物やスパイスの利いた物を意識的に取り、汗から排出される水分量を少しでも増やすようにしましょう。
おすすめ予防・解消法1 : 体を温める「陽性食品」を取る
東洋医学の考え方では、体を冷やす「陰性食品」と、体を温める「陽性食品」に分けられます。
陰性食品
主に暑い土地が原産、夏が旬、色が白っぽい、水分が多くやわらかめの食べ物。
[例]
- 野菜 ・・・ レタス・トマト・きゅうり・スイカ
- くだもの ・・・ バナナ
- 肉 ・・・ 豚肉
- 穀類 ・・・ 白米・うどん
- 飲み物 ・・・ 牛乳・コーヒー
- その他 ・・・ 豆腐・酢・マヨネーズ・白砂糖
陽性食品
主に寒い土地が原産、冬が旬、色が濃い野菜。水分が少なくかための食べ物。
[例]
- 野菜 ・・・ にんじん・ごぼう・しょうが
- くだもの ・・・ りんご
- 肉 ・・・ 鶏肉・牛肉
- 穀類 ・・・ そば・玄米
- 飲み物 ・・・ 紅茶
- その他 ・・・ 海藻・みそ・しょうゆ・塩・黒砂糖・シナモン
温かい食べ物・飲み物や、陽性食品をできるだけ多く取る習慣をつけることが大切です。陰性食品を取る場合は陽性食品と合わせて、陰性に偏らないよう工夫しましょう。
[例]
- シナモンコーヒー【コーヒー(陰性食品)+シナモン(陽性食品)】
- サラダ【レタスサラダ(陰性食品)+にんじん・海藻(陽性食品)】
おすすめ予防・解消法2 : ストレッチで体を温める
ストレッチは手軽に行うことができて、体を温めるのに効果的です。なかでもおすすめなのが、わき腹と足のストレッチ。全身を大きく動かすことで、体全体の血のめぐりを良くします。また、ストレッチとあわせて、毎日湯船につかったり、就寝時に腹巻きを着けるなど、できるだけ体を温めるようにしましょう。
わき腹と足のストレッチ


- 足を肩幅程度に開いて立つ。
- 右腕を上へ伸ばし、上体を左側に倒す。(10秒程度)
- 反対側も同じように、左腕を伸ばし上体を右側に倒す。(10秒程度)
※わき腹が伸びることを意識して、前かがみにならないようにしましょう。 - 足は開いたまま、右足のつま先をさわるイメージで前屈する。(10秒程度キープ)
- 続けて両足の真ん中、左側にも前屈する。(各10秒程度)
※ふくらはぎが伸びているのを意識しましょう。
おすすめ予防・解消法3 : 水の飲み方を見直す
人が生きていくために水分は不可欠です。しかし、水の飲みすぎには注意が必要です。体内の余分な水分がむくみをもたらすなど、時には害になることがあります。日頃から、正しく水を飲むことを意識しましょう。
正しい水の飲み方
- 「1日〇〇L」など量を決めるのではなく、のどが渇いたときに飲む。
- 一度にたくさんではなく、少量(コップ1杯目安)をこまめに。
- 冷たい水ではなく、常温水や白湯にする。
「水毒」と感じたら! おすすめの漢方薬
| 五苓散(ごれいさん) | むくみをはじめ、頭痛、めまい、下痢などを改善する代表的な処方。口の渇きや尿量の減少、めまいなどのある方におすすめです。 |
|---|---|
| 真武湯(しんぶとう) | 冷たい物の取りすぎで急な下痢になったときの特効薬。「水毒」と冷えによるめまいにも用いられます。 |
| 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう) | 水分循環を改善し「水毒」を取り去ることで、めまいを改善。頭痛や頭重感、吐き気や嘔吐(おうと)、手足の冷えなどを伴うときに用います。胃腸が弱く、冷え性であまり体力のない人に向きます。 |
| 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 冷えを伴う婦人科系の症状によく用いられます。 |
東洋医学では「水毒」を改善することで、「気」と「血」のめぐりも相乗的に良くなると考えられています。「水毒」を知らない方も、症状を感じているかもしれません。家族やお友だちにも教えて、みんな笑顔で快調な毎日を過ごしましょう。