クエン酸で疲労回復は本当?エビデンスをもとにクエン酸の効果を解説!適切な摂取方法とタイミング、注意点も紹介
疲れたらクエン酸ってよく聞くよね~。
レモンや梅干しにも含まれているけど、本当に疲労回復に役立つのかな?効果や飲むタイミングまで紹介するよ!
疲労感の緩和や軽減を謳うクエン酸製品は複数ありますが、本当にクエン酸で疲労回復できるのか気になる方もいるでしょう。
クエン酸は、エネルギー代謝の一部を活性化させると考えられるため、エネルギー不足が原因の疲労の軽減が期待できます。また、クエン酸の摂取により、主観的疲労感の軽減がみられた研究もあります。
クエン酸は安全性が高いため、食品からの摂取で健康を損なう心配はないでしょう。ただし、サプリメントや粉末タイプを一日の摂取目安量以上に飲むと、クエン酸の摂りすぎで胃痛や腹痛が生じる可能性があります。
本記事では、クエン酸が疲労回復に役立つとする研究や適切な摂取方法、クエン酸を摂取する際の注意点などを解説します。
クエン酸を取り入れて、安全に疲労回復を促したい方はぜひ参考にしてください。
Index
クエン酸とは?

クエン酸とは、柑橘類や梅干しをはじめとする食品、植物などに存在する有機酸です。体内では糖代謝の過程でクエン酸が合成されることがあり、体内で合成されたクエン酸はクエン酸回路と呼ばれる代謝の起点になります。
酸味成分であるクエン酸は食品添加物としても使用されるほか、体内では糖の分解抑制や、脂肪酸の合成促進などの代謝にも関わります。
クエン酸は何に含まれている?

クエン酸は次の食品に豊富に含まれています。
- レモン
- 梅干し
- カシス
- ドライトマト
- パッションフルーツ
- ドライマンゴー
含有量は減りますが、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類にもクエン酸は含まれます。
市販のレモン果汁は、生のレモンよりも手軽に使用でき、日常生活で取り入れやすいでしょう。ドライフルーツやドライマンゴーは日持ちするため、傷む心配が少ないです。
ドラッグストアや通販サイトには、ゼリーや粉末タイプのクエン酸製品、クエン酸サプリメントなどがあります。効率よくクエン酸をチャージできて便利です。
クエン酸で疲労回復ができるエビデンス

エネルギー代謝を支える成分であるクエン酸を摂ることで、エネルギー不足による疲労の軽減が期待できるとする研究報告があります。
研究内容や結果、クエン酸を必要とするエネルギー代謝の仕組みなどについて詳しく解説します。
クエン酸が疲労回復に役立つという研究報告
健康な男女計18名を対象に、クエン酸(2,700mg/日)とL‐カルニチン(1,000mg/日)を経口摂取させ、疲労に与える影響を研究した報告があります。※1
クエン酸は、三大栄養素を二酸化炭素や水に変え、エネルギーを生成する過程に欠かせない有機酸です。クエン酸を摂るとエネルギー代謝の一部が活性化し、エネルギー源の生成量増加が期待できるため、長時間の運動でエネルギーが不足した際の疲労軽減に役立つと考えられています。
また、クエン酸を摂取した方は、運動前、運動後、回復後のいずれにおいても、クエン酸を摂取していない方より主観的疲労感が軽減しました。L‐カルニチンの摂取では、主観的疲労感の軽減はみられなかったため、クエン酸が疲労回復を促している可能性があります。
ただし、本研究は対象人数が少なく、信頼性が確保されているとは言い難いです。また、クエン酸と疲労回復に関する研究は現時点では限定的であるため、過信は避けましょう。
クエン酸回路で夏バテ予防にも
体内では基本的に解糖系、クエン酸回路(TCA回路)、電子伝達系の3つの反応を経てエネルギーを生成します。クエン酸を摂取すると、クエン酸回路の活性化が期待できるため、夏のエネルギー不足も防ぎやすくなるでしょう。
エネルギーは、次のような流れで生成されます。
- グルコースがピルビン酸または乳酸に代謝される(解糖系)
- ピルビン酸がアセチルCoAに分解され、クエン酸を生成する
- クエン酸を起点にさまざまな化学反応が繰り返される(クエン酸回路)
- クエン酸回路で発生した水素を利用して多くのATPを生成する(電子伝達系)
- ATPが分解されてエネルギーが生成される
ATPはエネルギー源となる物質で、ATPが分解されることで身体活動や生命維持に必要なエネルギーが生成されます。
クエン酸は、エネルギー源であるATPを生成する過程に欠かせません。クエン酸を摂取し、クエン酸回路の活性化を促すことで、効率のよいエネルギーチャージが期待できます。結果的に、エネルギー不足による夏バテを防ぎやすくなる可能性もあるでしょう。
クエン酸の効果を高める適切な摂取方法とタイミング

クエン酸のみの摂取では、十分な疲労回復は期待できないでしょう。クエン酸は、抗疲労が期待できるビタミンB1、α-リポ酸、パントテン酸、L-カルニチン、イミダゾールペプチドなどの栄養素とバランスよく組み合わせて摂ることが大切です。
主観的疲労の軽減が確認された研究では、朝食時にクエン酸を摂取しています。※2
また、運動により生じる乳酸の除去を促す目的でクエン酸を摂る場合、摂取するタイミングが運動の30分前でも運動直後でも乳酸の代謝速度は同等です。
クエン酸はほかの栄養素と組み合わせて、朝食時や運動前後などのタイミングで摂取するとよいでしょう。また、暑い時期にもクエン酸の摂取はおすすめです。
暑さで食欲がないときでも、梅干しやレモンを使用するサッパリとしたメニューならば食べられることがあります。夏バテで食事量が減るとエネルギーが不足する可能性があるため、クエン酸を摂取してエネルギー生成の活性化を促すとよいでしょう。
クエン酸のデメリットは?摂取するときの注意点

クエン酸は、適量の摂取であれば安全性が高いですが、歯のエナメル質を傷めるリスクがあるため、クエン酸を摂取したあとは口を水ですすぐとよいでしょう。
また、まとめて大量摂取すると胃痛や腹痛などの症状が出たり、空腹時にクエン酸を摂ると胃が刺激を受けたりする可能性もあります。
クエン酸の3つのデメリットを紹介するとともに、摂取するときの注意点も解説します。
一度に大量摂取すると胃腸に負担がかかることがある
酸性のクエン酸を一度に大量摂取すると、胃腸に負担がかかり胃痛や腹痛などの症状が出ることがあります。
サプリメントや粉末タイプの製品は手軽にクエン酸を補給できて便利ですが、一日の摂取目安量以上に飲むとクエン酸の摂りすぎになることもあるでしょう。サプリメントのなかには、成分を濃縮している製品もあることから、安全に活用するためには表示された摂取量を必ず守る必要があります。
食品安全基本法に基づく食品健康影響評価では、食品や食品添加物からクエン酸を経口摂取する場合は、大量摂取になる可能性は低く、健康を損なうリスクはないと考えられています。※3
クエン酸のサプリメントや粉末を取り入れる際は、消化器症状が出ないよう摂取量を守りましょう。
酸性のため歯のエナメル質を傷めるおそれがある
クエン酸は酸性のため、頻繁に摂取すると歯のエナメル質に悪影響を与える可能性があります。
クエン酸には、次のような作用があり歯の軟化が起こりやすいです。
- 歯のリン酸カルシウムからリン酸を奪う
- 歯質のカルシウムイオンを奪う
歯質のカルシウムイオンを奪う働きは、クエン酸に糖が加わることで促進します。
クエン酸を含む食品や清涼飲料水は短時間で素早く摂る、摂ったあとは水で口をすすぐなどの工夫をして、歯への負担を軽減しましょう。
空腹時の摂取は胃を刺激する場合がある
空腹時にクエン酸を摂取すると、胃が刺激を受けて不快感を覚える方もいます。
空腹時も胃酸は分泌されていますが、食後に比べると分泌量は少ないです。胃酸には胃粘膜を守る役割もあるため、分泌量が少ない空腹時は胃が刺激を受けやすい傾向にあります。
クエン酸は体調にあわせて、無理なく取り入れることが大切です。胃が弱い方は空腹時のクエン酸摂取は避け、食後に摂るとよいでしょう。
まとめ

クエン酸を摂ると、クエン酸回路と呼ばれる代謝が活性化し、結果的にエネルギーの生成量が増加すると考えられます。そのため、エネルギー不足による疲労の軽減が期待できます。
クエン酸は安全性が高いものの、歯のエナメル質を傷めるおそれがあるため、摂取後は口の中を水ですすぎましょう。また、サプリメントや粉末タイプを一日の摂取目安量以上に飲むと、クエン酸の摂りすぎで胃痛や腹痛が生じる可能性があるため、摂取量は厳守してください。
食品や食品添加物からの摂取であれば、健康を損なうおそれはないでしょう。クエン酸を疲労回復に役立てたい方は、本記事で紹介した摂取時の注意点をぜひ参考にして、安全に取り入れる工夫をしてみてください。