うつ病の人への接し方や声掛けは?
安心させる言葉や言ってはいけないことを解説
2026.05.18
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身近な人がうつ病かも…どう接したらいいのか迷うよね。
安心させる言葉や気をつけたいNGな声かけも、いっしょに分かりやすく見ていこう!
家族や恋人、友人にうつ病の人がいる場合、どのように接したらよいのか悩むこともあるでしょう。
うつ病の人は励ましや助言に追い詰められる可能性もあるため、理解を示す声掛けが必要です。また、心が休まる環境の提供も、うつ病の人にとっての助けになることがあります。
本記事では、うつ病の人への接し方や安心させる言葉、うつ病の人と接するときの注意点やかけてはいけない言葉など、詳しく解説します。
また、うつ病の人から死にたいと打ち明けられたときの対応もあわせて紹介するため、うつ病の人の接し方に関する悩みを抱える方は、ぜひ参考にしてください。
うつ病の人への接し方で
周りの人ができること

うつ病の人と接するときは偏見を持たずに、理解を示し、いつでもサポートできる状態でいることが大切です。
うつ病の人の多くは、頑張りたくても頑張れない状態で苦しんでいます。そのため、叱咤激励や否定はせずに、見守るスタンスを取り安心できる居場所を用意するとよいでしょう。
うつ病の人の接し方として、周りの人ができる3つのことを詳しく解説します。
偏見を持たずに理解・サポートする
うつ病の人と接するときは偏見を持たず、自然な距離感を保ちつつも、うつ病であることを理解し、適切なタイミングで必要なサポートをしましょう。
うつ病の人は、症状が重くなるほど周囲からの否定的な感情に敏感になる傾向があります。
不自然な気遣いや過剰なフォローは、相手にマイナスな刺激を与えかねないため、うつ病であることを理由に態度を変えず、ほかの人と同じように接するとよいでしょう。
ただし、うつ病が原因でさまざまな不調を抱えている実状を忘れてはいけません。
うつ病に対し偏見を持つのではなく、うつ病の特徴をよく理解し、相手がサポートを求めたときに適切に対応できるよう備えることが望ましいです。※2
否定・叱咤激励しない
急性期(症状がひどい時)のうつ病の人に対して、否定的なことを言ったり励ましたりはしてはいけません。※3
うつ病になると、以前はできていたことができなくなる場合があります。周囲からは甘えや怠けのように見える可能性もありますが、神経伝達物質のバランスの影響が大きいと考えられています。※4
そのため、頑張りが足りない、意志が弱すぎるなどの否定はしないでください。
また、良かれと思い伝えたアドバイスや励ましが、裏目に出るケースも考えられます。うつ病の人と接するときは、相手の気持ちや考えを否定せずに受け止め、見守りましょう。
安心できる居場所を用意する
うつ病の人がリラックスできる環境、心休まる居場所の提供も、周囲ができることの一つです。
うつ病になると不安感や自責感、イライラを抱える方が多く、安心して過ごせる環境での十分な休息が求められます。
無理をする必要がない環境は、うつ病の人に安心感を与えます。心の健康を取り戻すことは、症状の悪化防止、落ち込んだ気持ちの緩和につながりやすいでしょう。※5
穏やかに過ごせる安心感のある環境の提供も、うつ病の人への接し方として望ましいです。
うつ病の人にかける・かけてはいけない
言葉の例

うつ病の人に声をかけるときは、極力肯定的な言葉を選んでください。反対に、相手を非難するような言葉をかけてはいけません。
うつ病の人にかける言葉、かけてはいけない言葉の一例を紹介します。
うつ病の人を安心させる言葉
うつ病の人には、理解して受け入れていることが伝わる言葉をかけましょう。次のような言葉は、うつ病の人を安心させやすいです。
- 頑張ってるね
- つらかったね
- 話したくなったら話して
- 話してくれてありがとう
- 休んで大丈夫
うつ病の人と接するときは、やりたくてもできないつらさや苦しさに理解を示すことが大切です。
また、無理をさせない声掛け、気持ちを共有したことへの感謝の言葉があると、うつ病の人は話しやすくなります。
うつ病の人には、安心して気持ちを打ち明けられるような言葉をかけましょう。
うつ病の人に言ってはいけない言葉
うつ病の人の気持ちを否定するような言葉、説教に聞こえる言葉はかけないでください。
たとえば、次のような言葉は言ってはいけない言葉の代表例です。
- 気持ちの問題
- 大袈裟
- 考えすぎ
- しっかりして
- その考えは間違っている
- もっとこうしたほうがよい
支える側として、どのような状況でも常に優しい言葉をかけることは難しくもありますが、うつ病の人を追い込むような言葉をかけてはいけません。
上記のような言葉が出そうになるときは、うつ病の人との距離を少し置いて、余裕を取り戻してから接するとよいでしょう。
うつ病の人への接し方で注意すべきこと

うつ病の人は判断力が低下しやすいため、大きな決断は迫らないでください。
無理に特別扱いせず自然に接する、死にたいサインを見逃さないよう注意深く見守ることも重要です。
うつ病の人への接し方で注意すべき点を3つ解説します。
大きな決断を迫らない
うつ病の人は精神的に非常に不安定なため、大きな決断をさせてはいけません。
うつ病になると思考力や判断力が低下するうえに、マイナスな考え方しかできなくなることがあります。
心が健康な状態であればしないような決断に至る可能性もあるため、重要な判断が必要な場合には、決断の先送りを提案する、話し合いの場に同席するなどのサポートをしましょう。
うつ病による判断力低下の可能性を考慮し、単独では大きな決断をさせないよう注意が必要です。
無理に特別扱いしない
過度な心配や気遣いは、うつ病の人を追い込む可能性もあるため、うつ病だからと特別扱いせずに、ほかの人と同じような態度で接しましょう。
特別扱いをした結果、うつ病の人が相手に心配をかけている、気遣いを受け入れる余裕がないなどと感じると、自己非難や自己否定の気持ちが強くなり、気分がさらに落ち込むことがあります。
余計な負担をかけないためにも、適切な距離感で自然な接し方を意識し、特別扱いにならないよう注意しましょう。
死にたいサインを見逃さない
うつ病になると自殺を考える可能性があることを踏まえ、死にたいサインを見逃さないよう注意が必要です。
うつ病の人が必ず死にたいと考えるわけではありませんが、うつ病が原因の不調や異変が明らかに増えてくると危険です。
急に身の回りを片付けはじめたり、ロープやナイフなど自殺の道具になり得るものを用意したりする場合は、死にたいサインであることを疑い、すぐに専門家に相談しましょう。
死にたいと口にする、遺書を書く、自殺未遂をする段階では決して一人にしてはいけません。
うつ病の人と接するときは小さなサインも見逃さないよう注意深く観察し、少しでもおかしいと思ったらすぐに精神科に連れて行きましょう。
うつ病の人から死にたいと打ち明けられたときの接し方

うつ病の人から死にたいと打ち明けられたら、頭ごなしに考えを正そうとせず、相手の話を遮らず最後まで聞きましょう。
考え直すよう説得するよりも、必要な治療を受けることを勧めるべきです。
最後に、うつ病の人から死にたいと打ち明けられたときの接し方について解説します。
傾聴する
うつ病の人から死にたいと打ち明けられたら、まずは聞き役に徹してください。
説得したい気持ちが出てきがちですが、相手の話に耳を傾け、苦しみを受け止めることが大切です。懸命に話す相手には、理解や共感を示す言葉をかけるとよいでしょう。
うつ病の人の話は遮らず、否定や意見もせずに一旦最後まで聞いてください。
話題を変えない
死にたいというカミングアウトは決して気軽に聞ける話ではありませんが、途中で話題を変えてはいけません。
死にたいと打ち明けるとき、うつ病の人は相手を選んでいます。その信頼を裏切らないよう、最後まで真剣に向き合いましょう。
治療を受けることを勧める
うつ病の人から死にたいと打ち明けられたら、話を聞いたうえで治療を受けるよう勧めることが非常に重要です。
うつ病は、薬物療法や精神療法など適切な治療により、症状の緩和が期待できます。
即効性は望めませんが、専門家のサポートは希死念慮を弱めることにつながりやすいでしょう。
うつ病の人から死にたいと打ち明けられたときは、話を聞いて終わりではなく、治療を受けるよう働きかける、必要であれば受診に付き添うことが求められます。
まとめ

偏見を持たず自然に接する、否定や叱咤激励をしない、大きな決断を迫らないなどは、うつ病の人への接し方として望ましいです。心穏やかに過ごせる安心感のある居場所の提供も、大切なサポートの一つです。
うつ病の人は、やりたくてもできない状況や、コントロールできない感情の波に苦しんでいるため、責めるような言葉は決してかけないでください。
うつ病の人が少しでも心の健康を取り戻し、穏やかな気持ちで過ごせる日が増えるよう、支える側も適切な接し方を把握しておきましょう。
とはいえ、すべてを受け入れ常に寄り添うことは簡単ではありません。不適切な言葉が出そうになるときは少し距離を置いて、支える側の心の安定も大事にしながら付き合うことが大切です。
参考サイト
- ※1 樫原 潤 (著)|うつ病罹患者に対するスティグマ的態度の現状と課題|p.456
- ※2 厚生労働省|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト/ご家族にできること >原因探しをしない
- ※3 厚生労働省|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト/ご家族にできること >励まさない
- ※4 厚生労働省|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~| >うつ病とは
- ※5 厚生労働省|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト/ご家族にできること >安心できる環境をつくる
監修:吉田 朱音
臨床心理士・公認心理師として、精神科クリニック、小学校・高校でのスクールカウンセラー、公的機関での電話相談業務に従事。子どもから大人まで幅広い年代の心理支援に関わってきた経験を活かし、現在は心理・メンタルヘルス分野のライター・監修者としても活動。


